2014 01 30

そして私は1週間後、既に福岡の地にいた。

 

福岡に来たのはほぼ初めてだ。

ほぼ、というのは、恐らく一度修学旅行で来た(らしい)ので。学生のうちの旅行なんて、本当は行き先などどこでも良くて、楽しい仲間とわいわい騒ぎ倒すことが、ある種の目的だったりする。福岡に来たかもしれないが、それは私の中で福岡に来た、という記憶ではなかった。

 

羽田からたったの1時間半       

行きたいところに行きたい時に簡単に行けるようになった、と感じる時に、おとなになったなぁと思う。世界はどんどん近くなる。

 

機内では、出発前に会ってきた両親のことを思い出していた。約1年ぶりの再会だった。次の進路の構想を話すと

 

「なんでも好きなようにやりな、うまくいくから」

 

と、その一言だった。彼らはいつもそう、小さい時からどんなことを話しても「好きなようにやりな、うまくいくから」、これしか言わなかった。

おかげで私は本当になんでものびのびやらせてもらえた。

小さい時には、周りの友達の親と比べて、なんで私は構ってもらえていないんだ!放ってばかりおかれるんだ!と拗ねていたこともあったが、いま大人になって考えてみると、あんな大きな言葉はなかなか言えないと思う。

自分の子供に同じことを言えるかと考えても、やっぱり怖くて言えないと思う。

 

滑走路が見えてきた。

 

 

しんごさんのお出迎えを受け、人生で一番うまい茹で餃子を、古い小さい中華屋さんで食べた。その席には、恐らく私が知っている中で世界で一番楽しそうに笑う男、トガちゃんもいた。彼の笑い声にはいつもどうしてもつられてしまう。

そして、これから仲間になるケイジさんもいた。どう考えても実年齢と釣り合っていない見た目の持ち主だ。一回りも上なのに、同い年に見える。

そんなパワフルなメンバーから次から次に飛び出す構想や発想に、ワクワクしながらも、きちんと追いついていけていない自分もいた。

 

気持ちはほとんど動いていたのだが、今になって会社のことも気になり始めていた。